急騰の直前の陰線を、四角で囲みます。SMC(スマートマネーコンセプト)の解説どおりにやると、1週間分のチャートが四角だらけになります。

どの四角が本物なんですか。
戻ってきた価格は、ある四角では止まります。別の四角は素通りします。囲む数を増やすほど、見るべき1つが分からなくなっていきますね。
私も最初は「上昇の直前の、最後の1本」で引いていました。ただ、元の講義を調べると、見るのは四角の中のどこかというより、始値の線だと言っているんです。
そこで、最後の1本を囲んだら、その始値に線を1本引く、という手順を1つ足しました。
四角は、選ぶ前に消します。そして残った1つに戻ってきたとき、始値の線で止まるかを見る、この2つが記事の中身です。
【オーダーブロック(OB・Order Block)とは】
価格が強く走る直前に、売りが買いに飲み込まれた最後の値段のことです。押し安値を作った、その足(連続していれば、その並び)を指していて、どの大きさの波にもあるものです。
よく見る解説では「最後の陰線を実体からヒゲまで囲む」、講義では「最安値の陰線の始値を見る」と説明しています。この記事は両方を書いたうえで、消し方と待ち方に進みます。
1. オーダーブロック(OB)とは|「最後の陰線」の解説と、講義の定義は違う



急騰の直前の陰線を囲む、で合っていますか。
半分は合っています。買いのOBは陰線で、その足の高値を後の足が抜けたら候補になる、ここは解説と講義で共通です。抜けたと見るのが実体かヒゲかは解説で割れていて、私は実体(終値)で揃えています。
違うのは「どの陰線か」と「どこを見るか」の2点です。以下、よく見る解説=界隈の簡略版、講義=ICT本人の講義、私=私の使い方、と呼び分けます。
| 界隈の簡略版 | 講義(ICT・2016年) | |
|---|---|---|
| どの足か | 上昇の直前の、最後の陰線1本 | サポート付近で、下落の中の最安値になった陰線。始値から終値の幅が一番大きいもの |
| 連続していたら | 最後の1本を囲む | まとめて1つに束ねる。見るのは始値 |
| 見る場所 | 実体からヒゲの先までの帯 | 始値の線。ヒゲは使わない |
| 成立 | 高値を後の足が抜けたら(ヒゲ抜けでも、と書く解説もある) | 高値を後の足が抜けたら |
| 目安 | — | 実体の半分(英語ではMean Threshold)。ここを割らずに戻るかを見る |
講義は、SMCの元になった教材を出しているICT(The Inner Circle Trader)本人のCore Content Month 04 Orderblocks(英語・2016年12月の講義の公開版)です。
定義文にある語は「最安値の陰線」です。「最後の」で決めてはいません。講義の定義どおりに囲むと、1本に決まりますね。


最後の陰線と最安値の陰線が別の足になる並びもあります。下げ止まったあとに小さな陰線を挟んで上がり始めた形で、界隈の引き方だと小さいほうを囲み、講義だと最安値のほうです。並べると違いが出ますね。


束ねないから、四角が増える
講義では、新しい陰線が出るたびに、後の足がその高値を抜けば、それが新しい候補になります。資格のある足は、上昇の間も増え続けることになりますね。
増えた候補を1本ずつ囲むのが界隈の引き方で、連続していれば束ねて1つに数えるのが講義の引き方です。なので、四角が増えるのは、束ねずに1本ずつ数えているからだと思います。
連続していたら、私は束ねた並びの最初と最後の始値に線を引いています。講義が言っているのは「束ねる・見るのは始値」までです。左右に並べると、引き方の違いが見えると思います。


2. 同じ足を、押し安値を作った足として見直す



OBには大口の買い注文が残っている、と聞きました。
そういう解説をよく見ますね。大口がそこで買い直すために注文を残している、という説明です。ただ、本当かどうかは私には確かめようがありません。注文板は見えないからです。
なので、確かめられるところだけ押さえておきます。OBの足は、売りが続いていた中で、買いに飲み込まれた最後の値段です。その足の安値から価格は上に走って、前の高値を抜いていきました。
ダウ理論の言葉に直すと、高値更新の起点になった安値、押し安値のことですね。OBは、押し安値を作ったローソク足そのものを指しています。
押し安値は日足の波にも1時間足の波にもあるので、OBもどの大きさの波にもある、ということですね。
場所はダウと同じで、見方が違います。ダウは安値の位置に線を引いて、OBはその安値を作った足の始値(私は帯)を見ます。対応表の記事で、見ている線はダウと同じ線だと書いた行を、足の単位まで下りた話です。
なぜ始値なのでしょうか。講義は始値と言うだけで、ここから先は私の理解です。始値は、その陰線で売りが入り始めた値段で、その足で売った人の建値になります。
価格が戻ってくると、そこには「建値で逃げたい」買い決済が重なりやすいと思います。次の節に出てくる3つの注文のうち1つが、始値に集まる理屈です。
線をヒゲの先で刈られたのは、OBを知る前にサポートラインで買っていた頃でした。その癖が今も残っています。OBでも実体の幅を帯として見ていて、ここは講義の始値の線からは外れている部分ですね。
ちなみに、見るのは始値だと知ったのは、2026年の夏に学び直しを始めて講義を調べてからで、それまでは最後の陰線を実体からヒゲまで囲んでいました。


3. なぜ、戻ってきたときに止まりやすいのか



走ったあとの価格は、どうしてその足まで戻ってくるんですか。
まず、戻ってくる理由と、戻ったとき止まる理由は別です。価格を戻すのは、速く上がった分を確定する売りと、高いところで乗ってしまった人が降りる売りで、OBそのものに価格を呼び戻す力はありません。
価格が寄っていく先として語れるのは、損切りが溜まる場所(並んだ高値・安値はその代表)と、走った途中に残る空白(FVG)のほうですね。
次に、止まる力のほうは、その値段に3種類の注文が重なりやすいことです。前の節の「建値」は、この2つ目に当たります。
【同じ値段に重なりやすい3つの注文】
そこで買って持っている人の「同じ値段なら、まだ買える」
上で売ってしまった人の「建値まで戻ったら逃げたい」(売りの決済は買い)
走ったのを見ていた人の、押し目買いの新規注文
一度抜けた値段が、役割を変えて意識されやすい、という見方ですね。サポートラインの解説(OANDA証券の用語解説)にあるロールリバーサルと同じ考え方です。
サポートやレジスタンスで価格が止まりやすいこと自体は、ニューヨーク連銀の研究(Osler, 2000・英語)で確かめられています。
ただ、通貨ペアと提供元で差がある、という留保つきで、「必ず止まる」とはこの研究も言っていません。止まるかは見てから決めます。
4. 使い方|四角は選ぶ前に消す。残った1つに戻るのを待つ



四角が5つあるとき、どれを使えばいいですか。
どれを選ぶかより、先に消すほうが早いですね。3つの条件に当てはまる四角を外していくと、残るのは少数で、0の週もあります。
| 消す四角 | 理由 | 出どころ |
|---|---|---|
| ①上位足の方向と逆向きのOB | 上位足の向きと逆のOBは効きにくい。私は向きを日足で決めている | 講義でも、上位足の向きに揃えると言われている |
| ②戻りの帯の外にあるOB | 私の帯は第2波の戻り23.6〜61.8%。浅すぎる候補も、深すぎる候補も外す | 私(半分より下で買う話と同じ思想) |
| ③構造を抜く起点になっていない陰線 | その足の高値を後の足が実体で抜けていなければ、ただの陰線 | 講義(成立の条件) |
上位足の第1波の起点は、帯より深い100%側にあるので候補にしません。使うのは、帯の中にできた下位の押し安値の足です。まず消すのは、上位足と逆向きの形ですね。


次に、帯の外にある候補です。帯より浅いものも、起点のように深いものも残しません。帯と候補の位置関係は、1枚で見たほうが早いと思います。


逆に、消しすぎにも反対側の失敗があります。押し安値を厳しく運用しすぎて入る場面が無くなる、は界隈でよく挙がる誤解です。0の週は見送りで構いませんが、0が続いたら帯の取り方を疑ったほうがよさそうです。
残った1つに戻ってきたら、見るのは始値と実体の半分
私は日足で方向を決め、4時間足で戻りの帯と候補を引き、1時間足で止まるかを見ています。
入る位置は、始値の線(帯で見るなら上端)に価格が戻って、1時間足で止まった形が出てからです。触れただけでは入りません。損切りは、その足の安値の少し外で、押し安値の少し外と同じ場所です。
実体の半分を終値で割ったら「止まらなかった」と見ます。その候補は外します。この判定は入る前に使うもので、入ったあとは損切りまで持ち、置いた損切りは動かしません。
利確は損切り幅の2倍を基本にして、直近の目立つ高値が手前にあればそこまでにします。2倍は師の型から借りた基準で、自分の成績での検証はこれからです。残した1本に戻って止まった形が、次の1枚になります。


ここに書いた入り方は、講義の型を2026年の夏からの学び直しの中で確かめている途中のものです。勝ち負けの数はまだ出せないので、止まったかどうかだけを数えました。
EURUSDの4時間足を2026年7月から10月まで巻き戻して、残った四角に価格が戻ってきた場面を10回数えました。始値で止まったのが3回、実体の半分を終値で割って素通りしたのが7回です。
迷ったのは、半分を1pips前後だけ割る場面で、10回のうち4回ありました。線に0.1〜0.3pipsだけ触れた回も2回あって、ここは物差しを先に決めておかないと数えられませんでしたね。
5. 素通りする場面|止まらない形も数える



残した1つにも戻らなかったら、どう考えればいいですか。
戻らない週もあります。戻っても、素通りする週もありますね。どちらもよくある形で、私はどちらも1回として数える、と決めています。
【素通りしやすい場面】
上位足の方向と逆向きの候補
2回目以降の戻り(最初の戻りが一番効きやすい、と界隈では言われます)
指標の発表中や、取引の薄い時間帯
候補まで届かず、途中の空白(FVG)で止まって戻る
ただ、2回目は弱るとは言い切れません。講義の同じシリーズには、一度使った足をもう一度買い場にする回(Reclaimed ICT Orderblock・英語)もあるからです。素通りの形も1枚置きます。


素通りした候補は外します。向きが変わった可能性を先に疑う、まではFVGの記事と同じ扱いです。
6. ダウの押し安値・FVGと、どこが同じで、どこが違うか



FVGとOBは、結局どちらを見ればいいんですか。
| 言葉 | 指しているもの | 形 |
|---|---|---|
| 押し安値(ダウ) | 高値更新の起点になった安値 | 線(安値の位置) |
| OB | その安値を作った足 | 始値の線(私は実体の帯) |
| FVG | 走った途中に残った、反対側の注文が通らなかった区間 | 帯(1本目の高値から3本目の安値まで) |
OBは走る直前の足、FVGは走った途中の空白で、同じ上昇の中ではFVGが上に、OBが下にできます。どちらも見ますが役割が違う、というのが表の答えですね。
もう一つ、どれを使っても手法そのものは変わりません。土台はダウのまま、戻りの位置を細かく見るレンズとしてSMCの言葉を使っています。手法を増やさない点は、手法の作り方の記事と同じ立場です。


7. 明日やること|残った1本に戻って止まった回数と、素通りした回数を数える



何から始めれば、四角だらけに戻らずに済みますか。
道具は過去チャートです。分け方は4節と同じです。4時間足で帯と候補を引いて、1時間足で止まったかを見ます。
方向と逆・帯の外・高値を抜いていない陰線、の3つを先に消します。0なら、その週は0と書きます。
結果は、始値で止まった/実体の半分を割って素通りした/届かずに伸びた、の3つです。割ったかどうかは終値で見ます。
素通りの方が多いなら、候補の消し方を疑います。帯の幅か、上位足の方向の決め方か、の順ですね。
私の最初の10回は、止まった3回に対して素通りが7回でした。素通りの方が多かったので、次は帯の幅を疑うところからやり直しです。
巻き戻して1本ずつ進める環境は、過去検証のやり方の記事に書いています。並んだ安値を100個探す1週目の宿題はSMCの使い方の記事にあって、OBの宿題はその2週目以降に置くつもりです。
8. よくある質問



急騰の直前が陽線だったら、どうするんですか。
- 陽線を買いのOBとして囲んでもいいですか
-
講義では買いのOBは陰線です。急騰の直前が陽線なら、その前の陰線まで戻って探します。
- ミティゲーションやブレイカーという言葉も見ますが、覚えるべきですか
-
今は後回しで構いません。ミティゲーションは界隈では「OBへ戻ってくること」の意味で使われていて、講義(Mitigation Blocks・英語)では別の形の名前です。
ブレイカーは講義(ICT Breaker Block・英語)では、損切りを刈ったあとに構造が変わり、旧高値(安値)が役割を変える形です。
- 4時間足の候補と1時間足の候補が、別の場所にあるときは
-
4時間足の候補を残し、1時間足は止まった形を見る側に回します。1時間足の候補を単独では引きません。
- OBとFVGが同じ場所に重なっていたら
-
候補としては一番残しやすい場所です。ただ、重なっていれば必ず止まる、とまでは言えません。
9. 次にチャートに四角を引くとき



結局、四角はいくつ残せばいいですか。
3つの条件で消したあとに残った数が、そのまま答えですね。私の場合は0の週もあります。そのときは引きません。
【四角を引く前に】
上位足の方向は決めたか
戻りの帯の中にある候補か
その陰線の高値を、後の足が実体で抜けているか
残した候補の始値に、線を引いたか
最後の1本を囲む手は、そのままで構いません。囲んだあとに、その始値へ線を1本足して、戻ってきた価格が線で止まるか、実体の半分を割るかを見ます。
四角を減らしたのは線ではなくて、4節で消した3つの条件のほうですね。線は、残った1つで止まるかを見るために引きます。
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ICTの講義・OANDA証券の用語解説・ニューヨーク連銀の論文は、いずれも2026年10月閲覧です。












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