
用語は一通り覚えたのに、チャートを開くと結局どこを見ればいいのか分からない
スマートマネーコンセプト(SMC)を学び直し始めてから、私が一番長く止まっていたのがここでした。流動性、スイープ、Equal Lows。意味は言えます。それなのに、実際のチャートの前に座ると、どれがそれなのか分からないんです。
この記事を読み終えると、今週末に何をすればいいかがわかります。並んだ安値を100個探して記録する。使い始めの1週目は、これで終わりです。エントリーもしませんし、勝ち負けも出ません。
先に立場を書いておきます。私はまだ100個を数え終わっていません。だから「100個やったらこう変わりました」は書けなくて、この記事に書けるのは、数え方と、始めてすぐに詰まった場所までです。使う道具も、過去チャートと記録用のシートが1枚あれば足ります。
【この記事の核心】
スマートマネーコンセプトの使い方で最初にやることは、知識を足すことではありません。見えるかどうかは「その形を何個見たか」で変わります。
用語を覚えたのに見えないのは、たぶん普通のことです
SMCは、私が土台にしてきたダウ理論・エリオット波動・グランビルの法則の上に足したレンズとして学び直しています。用語の対応はSMCとダウ理論の違いを表にした記事で一度全部訳しました。それでも見えませんでした。チャートの上では、まだです。
理由は単純で、私が持っていたのは「Equal Lowsとは何か」という説明で、「このチャートのここがそれだ」という判別ではなかったんですね。説明は1回読めば入ります。判別の方は、何個見たかで精度が変わる種類のものでした。
自分の手法をルールにできた時も、効いたのは読んだ量ではありませんでした。299回のトレードを記録に落とした期間で、目の方が変わっています(勝率39.8%・PF1.07〜1.31)。あれはDEGの検証で、今回のSMCの宿題とは別物です。ただ、感覚は同じでした。数えた分しか見えるようにならない、という感覚です。
なのでこの記事では、SMCの解説をもう1周やりません。数える側の手順を書きます。


1週目の宿題は、並んだ安値を100個探すこと
この100個という数字は、私が読んだSMC系の学習メニューにあった1週目の宿題を、そのまま借りています。なぜ100なのか。その教材にも書いてありませんでした。私が削らずに100でやろうと思ったのは、30個くらいだと自分が見つけやすい形ばかりが集まる気がしたからです。少ない数で終わらせると、見落としの方は最後まで混ざってきません。
何を1個と数えるのか
ほぼ同じ価格帯で2回以上止まった安値のこと。ダブルボトムやトリプルボトムと呼んできた形と、指しているものは同じです。そこで買った人の損切りが下に並びやすいので、SMCではこの並びを「注文が溜まっている場所」として見ます。高値側が並べばEqual Highs(並んだ高値)です。
数え方で最初に決めておくことが3つあります。ズレの許容、本数の扱い、そしてヒゲか実体か。私は次のように固定しました。同値でなくて構いません、というより、ピッタリを探すと初日で止まります。
| 決めること | 私の基準 | 理由 |
|---|---|---|
| ズレの許容 | その時間足の直近20本の平均実体の半分以内 | 目測をやめて、毎回同じ物差しにするため |
| 3本以上並んだ時 | まとめて1個 | 2個に割ると、並びが多いペアだけ数が伸びる |
| ヒゲか実体か | ヒゲ先で揃える | 損切り注文が置かれるのはヒゲが届く側だから |
基準どおりに1個と数える形が、これです。


こちらは数えません。


なぜ並びが危ないのかという理由の側は、並んだ高値・安値ほど損切りが抜かれやすい理由の記事にまとめてあります。1週目にやるのは、その形を目で拾えるようになるところまでです。理由が曖昧なままでも大丈夫です。先に進んでください。100個見た後の方がすんなり入ります。
100個を貯めるまでの手順
最初の100個は、日足のドル円だけ、というふうに絞ります。通貨ペアを跨ぐと足の癖が変わって、さっき決めた基準が毎回ぶれるからです。巻き戻しの操作そのものは過去検証のやり方の記事と同じ手順で足ります。
1本ずつ送っていると日が暮れるので、まずは眺めて拾います。日足なら1年で取引日は250本前後。この中に並びが何個あるかは通貨ペアと時期でまるで違うので、最初の1年分を数え終えた時点で、100個までにあと何年分要るかが見えます。
並びを見つけたら、日付と本数だけ先に書きます。先は見ないでください。結果を見てから記録すると、抜かれた並びばかりが100個集まって、後で傾向を出せないデータになってしまうんですね。
並びの2本目の翌足から30本。日足なら6週間ぶんです。その中で「抜かれた/届かなかった/抜けてそのまま走った」のどれかを選び、抜いた場合は並びの上へ戻ったかどうかも書きます。30本以内に届かなければ、届かなかったで確定させてください。打ち切りを決めないと、1個に何分もかかって100個まで届きません。
3択を形にすると、こうです。まず、抜かれて、並びの上へ戻った。


次は、抜けたあとに戻らなかった場合です。


シートの列は、日付・本数・3択・戻ったか、の4つで足ります。理由や感想の列は作らないでください。増やすと100個まで届かなくなりますし、100個そろった時点でこの4列から出てくる比率が、そのまま自分の目のクセになっています。
数え始めると、たぶんこの3つで手が止まります
1つ目はヒゲか実体か。基準は上の表で決めましたが、実際に数えていると迷います。私はここを一度間違えていて、水平線を線として見ていた頃、ヒゲで何度も刈られました。刈られた側の記憶があると、ヒゲ先で揃える方に手が動きます。
2つ目は、2本の間隔がどこまで離れていいのか。隣り合っている必要はなくて、間に10本挟まっていても、同じ価格帯で止まっていれば1個として数えます。ここで見ているのは価格帯です。形が似ているかどうかで判定し始めると、途端に数えられなくなります。
3つ目が、時間足を下げると消えることです。日足で並んで見えたものが1時間足では段差になっている、というのは普通に起きます。なので1週目は、時間足を固定したままにしておいてください。どの足でも同じものが見えるかどうかを確かめるのは、100個そろった後の話です。
ちなみに、これは自動検出のインジケーターに任せてもいいのでは、という話も当然あります。私は1週目については手で数える方を選びました。検出結果を眺めるのと、自分で拾って迷って決めるのとでは、残るものが違うと思っているからです。2週目以降で数を捌く段になったら、私も道具に頼るつもりでいます。


1週目の道具は、無料のチャートで足ります
要るのは過去チャートを巻き戻せることなので、TradingViewの無料プラン(Basic)で通ります。ただし分足の過去データはBasicの割り当てに入っていません(2026年8月時点・最新は公式の料金ページで確認してください)。日足で数える今週は関係ありません。効いてくるのは2週目です。
2週目からは前日・前週の高値安値を抜けた後の値動きを毎日追うことになるので、分足を巻き戻せないと手が止まります。私が使っているのはForex Tester Online(FTO)です。ブラウザで動きます。MacでもWindowsでも同じ。無料デモもあるので、触るだけなら費用はかかりません。ただ、買うのはまだ先です。決めるのは1週目が終わってからで間に合います。順番を逆にすると、道具を買った満足で1週目が終わるんですよね。
2週目から先は、数えるものが変わっていきます


2週目は前日と前週の高値安値を抜けた後に反転したかを毎日1つ記録し、3週目は抜けた後に強く走った場面と、その走りが残した隙間を探します。4週目でようやく執行です。時間帯を1つに絞って、デモ口座で1日1回。ここまで来るとプロップの規律の練習になります。日次の損失上限がある口座では「1日1回で止める」こと自体が課題になるからです。
この4週間で手法が完成するわけではありません。私の場合、手法として使えるようになったのは検証で育てる3ステップを回した後でした。1ヶ月メニューは、その前段の目慣らしに当たります。
100個数えても、並んだ安値が放置される日はあります
並んだ安値が必ず抜かれるわけではありません。強いトレンドの途中では、下に並びを残したまま上へ行ってしまう場面が普通にあります。3択に「届かなかった」を入れてあるのはそのためです。行かなかった側の比率が出ます。そこが100個の一番の収穫だと思っています。
届かなかった、はこういう場面です。


この数え方は時間足に依存する、というのも先に書いておきますね。日足で出た傾向が15分足でそのまま出るとは限りません。下位足でどうなるかは、日足で100個そろえてから確かめる順番にしています。
SMCを学ぶと相場の裏側が全部見える、という言い方も見かけます。私はそこまでは言いません。用語を訳した記事で書いたとおり、私にとってのSMCはダウ理論の置き換えではなく、注文が溜まる場所を見るためのレンズです。100個の宿題は、そのレンズのピント合わせに当たります。
よくある質問
100個は多すぎませんか。30個では足りませんか
30個でも目は変わり始めると思います。私が削らないのは、少ない数だと見つけやすい形ばかりが集まって、自分が普段見落としている側が最後まで入ってこないと考えているからです。ここは私の判断なので、30個で回してみて足りなければ足す、でも構いません。
数えている途中で基準を変えたくなったらどうしますか
変えて構いません。ただ、そこまでの分は捨てずに、シートに区切りを入れて「ここから基準B」と書いてください。混ざったまま100個にすると比率が読めなくなります。数え始めてすぐに許容を広げたくなる場面は来ると思うので、変えた地点が分かるようにしておけば大丈夫です。
1週目が終わったと、どう判断すればいいですか
100個そろったこと、が形式的な条件です。中身の方の目安としては、チャートを開いて並びを指すまでの時間が最初より短くなっているかどうか。最初の10個と最後の10個で、1個あたりにかかった時間を比べると分かりやすいと思います。
今週末は、10個そろえるところまで
いきなり100個を目指すと、たいてい初日で止まります。今週末に10個。それが埋まったら、同じ手つきで残りを足していく形になります。
【今週末にやること】
時間足と通貨ペアを1つに固定する
ズレの許容・3本以上の扱い・ヒゲか実体かを先に決める
並んだ安値を10個拾って、先を30本送って3択を埋める
10個で止めても、来週チャートを開いた時の見え方は今日と少し違っているはずです。私も数えている最中です。進み方が違ったらXの方で教えてください。
それと、2週目に入って分足を巻き戻したくなった時に、たいていの人はここで一度詰まります。無料プランのままだと日足から下へ降りられません。その時が道具を見る番です。
リンク先は、私が検証に使っているFTOの料金・無料デモの制限まで含めたレビューです(2026年8月時点・最新は公式サイトで確認してください)。
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