ダブルボトムで買って、2番底の少し下に損切りを置く。価格は底を割り、損切りに触れて、そこから上がっていく。
「また底で切らされた」。勢いで入って、損切りは後回しにして、いざ置くときは線のすぐ裏。そういう置き方をしていた時期が私には長くあって、この形には見覚えがありすぎます。
【この記事の核心】
きれいに並ぶほど、抜かれやすい。
ダブルボトムの底が抜けるのは、教科書どおりに置いているからです
ダブルボトムの説明は、どの解説もだいたい同じ形です。同じ水準で2回下げ止まる。間の戻り高値(ネックライン)を上に抜けたら完成。2回止まった、だから固い。私もそう覚えましたし、形の説明としては今も間違っていないと思っています。
問題は、損切りをどこに置けと書いてあるか、です。
教科書は、損切りを谷のすぐ下に置けと書いている
デューカスコピー・ジャパンの解説は「損切りは高値②(または安値②)の外側に設定」(ダブルトップ・ダブルボトムの解説・2026年8月閲覧)。Fintokei公式ブログは「ダブルボトムの安値(2番底)付近に設定するのが一般的」(ダブルボトムの解説記事・同)。書いてあるページは、どれも2つの谷のすぐ下を指しています。
そして読み直してみると、損切りの位置をそもそも書いていないページの方が多かった。教わらなくても、買った場所の少し下に置くのが自然だからだと思います。結局ほとんどの人が、同じ場所に置くことになります。
SMCでは「並んだ高値・安値(Equal Highs / Lows)」と呼びます
ほぼ同じ高さで2回、3回と並んだ高値や安値を、SMC(スマートマネーコンセプト。大口の注文がどこに溜まるかから値動きを読む考え方で、元はICTというトレーダーの教材です)ではEqual Highs/Equal Lows(並んだ高値・安値。カナで書くとイコールハイ/イコールロー)と呼びます。ダブルトップなら2つの山の上、ダブルボトムなら2つの谷の下。そこがそのまま、並んだ高値・安値の外側です。以降は「並んだ高値・安値」で通します。
私は「ネックラインの裏」と書き間違えていました
白状すると、私は学習ノートにこの場所を「ネックラインの裏」と書いていた時期があります。ネックラインは完成を判定する線で、損切りが並ぶのは谷の下。ノートを読み返して線を引き直したのがこの夏のことで、しばらく間違ったまま進んでいました笑。SMCの言葉と、私が使ってきたダウ理論の言葉の対応は、対応表の記事に分けてあります。
同じ2つの谷を、そこに並んだ注文の側から見直す
同じ谷の下に、2回分の損切りが積まれています
教科書を読んだ人が、教科書どおりに置く。私も置いた。同じ動画を見た人も置く。すると2つの谷の下には、買った人が置いた売りの損切り注文が並びます。1回目の底で買った人の分と、2回目の底で買った人の分。2回止まったという事実は、見る側を変えると、2回分の損切りがそこに積まれたという事実でもあります。この、谷の下に損切りが並んでいる範囲を、以降は帯と呼びます。
ここまでは教科書と同じ景色です。

今度は、線の下に足された帯を見てください。

止める力と、走る力は別のものです
2回目が止まる力と、3回目に走る力は別のものです。止める力は、1回目の底を逃した人の買いと、1回目で買った人の買い増しで、どちらも同じ水準に置かれます。走る力は、その人たちの損切りです。同じ谷の下に重なって、割れたときに一度に出る。割れる前の売りは薄くても、割れた瞬間に出る売りは厚い。
次の1枚は、先に素のチャートが出ます。どこが割れるか、探してから答え合わせしてみてください。

抜けた後に戻る理由も、同じ注文で説明がつく
抜けた後に戻る理由も、同じ注文で説明がつきます。帯で一度に出た売りは、大きな買い手にとって、まとめて買える数少ない場面です。その買いが売りを吸い切ると、下へ押す力が残らなくなって反転します。
この一連の動きには名前が付いていて、スイープ、あるいはストップ狩り(損切り狩り)。誰かがそこまで運ぶつもりで動かしているのか、単に注文の置き場所が偏っているのか、私には見分けられません。
どちらであっても、帯の中に損切りが重なっている限り、割れて、吸われて、戻るという並び方は変わらない。私が見ているのは、その並び方までです。細かい順序は、前の記事(損切り直後に反転するのはなぜ?)に書きました。
戻りが始まる位置に注目してください。

【刈られやすい置き方】
2番底のすぐ下に損切りを置く
「2回止まったから固い」を、買う理由にする
【並んだ注文を前提にした見方】
並んだ安値は、反発する場所より先に「一度抜かれる候補」として待つ
損切りは、谷の真下(一番置く人が多い場所)を避ける
では損切りをどこに置くのか|今の私の答えと、2つの反論
今の私は、並んだ安値の真下には置きません。抜け幅を自分の時間足で測ってから決める途中で、何pips外、という基準の数字はまだ持てていません。当時の損切りは記録を付けていなかったので、測る材料が手元になく、後述のSTEP1を私も今やっている側です。この記事で場面の数や幅を出さないのは、そういう理由です。
| 損切りの位置 | 並んだ安値の真下には置かない。何pips外かは、自分の時間足で測っている途中 |
| 幅を広げたら | ロットを落として、1回の損失額を広げる前と同じに揃える |
| 買う場所 | 変えない。谷の下を一度抜いて、帯の内側へ戻ったのを見てから入る |
反論①:損切りを広げたら、1回の損失額が増える
反論の一つ目。損切りを外側に広げたら、1回の損失額が増える。そのとおりで、広げた分、ロットを落として、1回の損失額を広げる前と同じに揃えます。損切り幅とロットは一緒に決めるもので、幅を単独で動かすと口座の減り方が変わります。
反論②:ならダブルボトムで買うのをやめるのか
二つ目。ならダブルボトムで買うのはやめるのか。やめません。ショートに切り替える話でもありません。変えるのは順番で、2回止まったのを見て入る代わりに、谷の下を一度抜いて、帯の内側へ戻ってきたのを見てから入る。買いたい場所は同じまま、入るタイミングを後ろにずらす翻訳です。
単発の安値とは何が違うのか|「ほぼ同じ」に基準はあるか
どこまで揃っていれば「並んだ」と呼ぶのか。ここに数値の基準はなく、私自身もまだ持てていません。ゆうきのせかいの記事(SMCにおけるLiquidityの基礎・2026年8月閲覧)も、何pips以内という厳密な定義はなく個人の経験による部分、と書いています。見た目でほぼ同じ高さなら並んだと見なし、時間足が上がるほど「ほぼ」の幅は広がる。目安は時間足ごとに自分で測るしかない、と今は考えています。
単発の安値との違いは、裏に置かれる損切りの量です。一度しか触れていない途中の小さな安値は、線を引く人が少ない分、裏の損切りも薄いと教わりました。抜けても反応が鈍くなりがちで、「抜かれてから反転」の候補としては弱い場所と見ています。
| 並んだ安値(抜かれやすい) | 単発の安値(反応が鈍い) | |
|---|---|---|
| 止まった回数 | 2回以上・ほぼ同じ高さ | 1回 |
| 線を引く人 | 多い(誰が引いても同じ線) | 少ない(引く人で位置がずれる) |
| 裏の損切り | 厚い(回数分が重なる) | 薄い |
| 抜けた後 | 走ってから戻る形になりがち | 通過して何も起きないことが多いと教わった |
浅く抜けて戻ったとき、「もう終わった」と見ない(Shallow Run)
並んだ安値を少し割って、すぐ戻った。ここで「損切りを吸って反転した」と決めたくなります。ただ、抜けが浅いと、帯の損切りを取り切れていない可能性が残る。SMCではこれをShallow Run(浅い抜け)と呼んで、取り切れていない分をもう一度取りに来る予兆として扱います。
浅いかどうかの目安は、10〜20pipsです。ICT本人の動画が挙げている数字になります(ICT Forex – What New Traders Should Focus On・英語・2026年8月閲覧)。前述のゆうき氏の記事も同じ数字を引いて、10〜20pips以上抜けたら取り切ったと見る妥当性がある、という整理。上位足ではもっと大きく抜けても浅いと見る場面がある、とも書いてあります。時間足が違えば同じ20pipsの意味は変わるので、自分の足で測った幅に置き換える前提の数字です。
【10〜20pipsの扱い】
出どころは、上の動画一つと、それを日本語で紹介した記事一つです
自分の時間足で「浅く抜けて再訪した幅」を測ったら、その幅に置き換えてください
並んでいれば必ず抜かれる、とは言えない
ゆうき氏の同じ記事には、失敗例がチャート付きで載っています。Equal Lowを残したまま上昇が続き、そこを目当てにショートすると「ひたすら負け続ける場合も往々にしてあります」という失敗例。上位足が強い上昇(Bullish)のときは並んだ安値は放置されがちで、短期足の一部分を見て入るのは早計、というのが氏の整理です。
形にすると、こういう場面です。並んだ安値を残したまま、上に行ってしまう。

理屈は単純で、下の損切りを取りに行くにも売りが要ります。買いが勝っている局面では、帯に届く前に買われてしまう。だから私はこの見方を、逆張りの根拠には使いません。使うのは2場面だけです。自分の損切りが帯の中に入っていないかの点検と、抜かれて戻ってきた後に入るかどうかの判断。並んでいるという事実は待つ理由になっても、入る理由にはならない、と整理しています。
明日やるのは、自分の損切り位置の点検と、抜け幅・戻りの実測
主役はSTEP1です。道具は、今の取引記録と過去チャート。
通貨ペア・時間足・損切りの価格と、その近くに並んだ高値・安値があったか。印が付いた数が、自分がどれだけ帯の中に置いてきたかの実測になります。
同じ水準で2回以上止まった場所に線を引き、そこを割った足の先端までの幅を記録します。ネックラインは引かずに進めて大丈夫です。この幅が、10〜20pipsに代わる自分の数字になります。
両方を数えます。戻った方だけ拾うと「並んだ安値は抜かれる」という思い込みが固まるからです。何本で戻ったかの列は、入るタイミングを決めるときにそのまま使えます。
過去チャートを巻き戻して1本ずつ進める環境は、私はFTO(Forex Tester Online)という検証ソフトを使っています。ブラウザで動くのでMacでもWindowsでも同じ。動かし方は過去検証のやり方の記事に、測った結果を自分のルールに落とす手順は手法の作り方の記事に書いてあります。
よくある質問
高値側(ダブルトップ)でも同じことが起きますか?
鏡写しです。2つの山の上には、そこで売った人の損切り、つまり買い注文が並びます。上に一度抜けて損切りを吸い、買いが尽きてから下に戻る形。STEP2・3の記録には、高値側も同じ表に入れておきます。
上位足では並んで見えるのに、下位足ではバラバラです。どちらを見ればいいですか?
上位足の並びを優先しています。下位足ほどヒゲの形が崩れて「ほぼ同じ高さ」に見えなくなるので、線は上位足で引いて、抜けと戻りを下位足で見る順番です。
並んだ高値を抜けた後、どれくらい待てば「戻ってきた」と見ますか?
今見ているのは、抜けた足の次の足で、実体が帯の内側に戻ったかどうかです。何本まで待つかは、STEP3で記録した「何本で戻ったか」の分布から自分の足ごとに決めます。
次にダブルボトムを見つけたとき
2回止まった底を見つけたら、固さより先に、その下に何人分の損切りが並んでいそうかを考えてみてください。私はいま、そこに何本の線が引かれていそうかを数えるところから始めています。
【ダブルボトムを見つけたら】
自分の損切りは、谷の下にできた帯の中に入っていないか
損切り幅を広げるなら、ロットを落として損失額を揃えたか
抜かれて戻ってきてから入る、という順番を選べないか
STEP1は、今の取引記録があれば今夜できます。STEP2・3のほうは、過去チャートを巻き戻せる環境がないと進みません。
FTOの料金・無料デモの制限・Fintokei模試の設定は、実体験レビューの記事に書いてあります(2026年8月時点・最新は公式サイトで確認してください)。
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